開設準備委員が綴る現実的で非公式なブログ

道南初の義務教育学校「大沼岳陽学校」開設への動きをリアルにご報告することを主たる目的といたします

先進地視察

大沼より約600キロ、中標津町立計根別学園までやってまいりました。

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敷地全体の面積は大沼中の方が広い気がしますが、駐車場が広くていいなぁというのが第一印象。

校舎は流用ではなく専用に建設したもので、総工費約22億円!

この辺りは町財政の差でしょうか?(^_^;)

 

 

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職員室です。広さは大沼中と同程度。

先生の机の配置は4-3-2制に沿った並びだそうです。

廊下側もガラス張りになっていて、イメージ的には大沼小の職員室をもう少し開放的にした感じと言えば伝わるでしょうか?

 

 

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校舎中央部です。

吹き抜けになっていて、壁や床の色合いと相まって非常に明るく開放感があります。

全体的に目の行き届きやすい造りになっています。

ここはさすがに校舎の構造の部分なので真似はできないところ( ̄◇ ̄;)

設計・建設時は4-3-2制で行く事になっていなかったので、教室の配置がややイビツになっているのが数少ない難点の1つだそうです。

 

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特別支援教室です。

手前の広いスペースと窓側には仕切られ磨りガラス戸の付いた個室スペース。

この造りは今の主流で、岳陽学校でもこの形になるとの事。

 

 

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体育館です。

こちらもフロアの広さは大沼中の方がやや広いのでしょうけど、いいなぁと思ったのは広いギャラリーがある事。

卓球台があったので、卓球部はここで練習してるんでしょうね。

この広いギャラリー部分の下が用具庫スペースになっています。

 

 

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多目的トイレ。

これは岳陽学校でも設置されますが、計根別学園さんは奥の方にシャワールームと着替えスペースがありLGBT対応しているとの事。

岳陽学校では着替えスペースまでは準備していないそうですが(@_@)、計根別学園さんもどちらかというと、せっかく作るんならこうしよう!という感じで作ったら結果的に対応できる造りになった、という事だそうです。

 

 

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計根別学園の開校に伴い閉校になった各校の校旗と校歌が掲示されています。

実物はどこかに保管するにしても、校内での掲示はこの形にするのがいいのかもしれません。

 

 

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校舎内を見学した後には、事前にお送りしていた質問を部門分野別に分けて回答をいただきながら談話する時間を設けていただきました。

教務や研修といった部分は教育委員会の方や教頭先生にお任せして、私は総務関連のブロックへ。

 

4-3-2の枠組みの中で4年生と7年生の終了時に区切りの式を行うのと、6年生終了時に修了式を行うのは講演会で聞いていた通りですが、入学式は1年生のみ、卒業式は9年生のみとの事。

そこで前から思っていた疑問が。統合前の最後の6年生(=現6年生)はどうなるの?という事です。

3月に小学校を「卒業」するのに4月に「入学」はしないの?と思っていたので、率直に聞いてみたんです、開校時の7年生はどうしたんですか?と。

教頭先生も開校時に在籍していた先生ではないので当時を知る先生に確認してもらったところ、初年度だけは7年生も入学式を行なったそうです。

そしてそれ以降は前述の通り、1年生が入学式、9年生が卒業式を行うスタイルで続いているとの事。

かなりスッキリしました(⌒▽⌒)

 

 

その他、遠足や部活動のことなども聞きました。

遠足は9年間かけて100km以上を踏破するという独自の取り組みなので、そのまま真似したりはできないでしょう。ただ、行き先を迷う必要が無い事にはメリットを感じましたが。

 

部活動は3年生から参加できるそうです。

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全校児童生徒数128名との事でしたが、野球部もありグラウンドもきちんとしています。

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野球部は中体連が終わり9年生が抜けたため、単独で秋の公式戦には出られないのは残念ですが、6年生以下の部員達もいるので練習には事欠かないそうです。

下級生時代から底上げができるという部分では、岳陽学校にも活かせるシステムかもしれませんね。

 

私が話を聞いたブロックは2人の教頭先生が対応してくださいました。

はっきりとどちらかが小学校担当・中学校担当というような棲み分けはしていないとの事。

基本的には「話を聞いた方」が対応するが、2人の間で全ての情報を共有しながら取り組んでいるそうです。

強く感じたのは、校長先生や2人の教頭先生はもちろん、その他の先生方も非常に高い意識を持って取り組んでいらっしゃるという事です。

だから斬新な事も始められるし、上手くいかないと思ったらすぐに修正できる。

校長先生が「小学校ではこうだった…とか、中学校ではこうだった…とかは絶対言うな」と言ってるそうですが、既存の枠組みに囚われない柔軟性を職員の皆さんが持ち合わせていると言う事なのでしょう。

岳陽学校も、開校に向けてもちろん入念な準備はしますが、まずはやってみる!という思い切りと、ダメな部分があったら即座に修正できる柔軟性が、関わる全ての人に求められます。

 

視察後の車内では活発な議論が。

ただ統合しました、9年制の義務教育学校です…ではなく、やはり学校としての「色」をハッキリと打ち出していく重要性を改めて感じました。

計根別学園さんは正に先進校として、多い時で年間70件もの視察を受け入れてきたそうです。

岳陽学校も他所から視察に来られた時に、今回の計根別学園さんのように自信を持って対応できるようになりたいですね。

 

 

まずは、子供達がうまく岳陽学校での生活に馴染んでいけるように、

大人は裏でバタバタしましょう(^◇^;)